Way of Life

日常の中のクリエイティブに丁寧に時間を注ぎたい

Elli-Rose

モデルやDJとして活躍する傍ら、自身の会社を立ち上げスキンケアブランド Otonë を手がけるなど、マルチに活動。
現在はファッションやビューティーの被写体としてのモデルに留まらず、これまでの人生で培った価値観や生き方といったパーソナルな発信に注目が集まる、Elli-Roseさんにお話を伺いました。

Elli-Roseさんの暮らしについてお聞かせください。

20代からモデルと音楽活動を中心に仕事を続けていますが、最近は自分自身の生き方や価値観を共有するお仕事が増えてきていると感じます。

被写体として心身を整え体調万全で撮影に臨むことはもちろん、日々実践しているSDGsに関連する内容であったり、これまでの人生を通して培った経験から感じてきたことをもとに、よりパーソナルな部分を表現するタイミングが多くなりました。FRaUオンラインでコラム連載も始まり、モデルを主としながらも活動の幅を広げられていることはうれしく思っています。

自分に求められていることが外見的なことだけではなく、価値観であったり未来への考えといった、人間としての根本の部分であるということを感じられるからです。

House

現在住んでいるところ、その場所にした理由などを教えてください。

東京生まれで、現在も東京在住です。

現在の家は、中心部でありながら、緑が豊かな緑道や公園もたくさんある静かな場所です。

その前にはもっと賑やかなエリアに住むことが多く、撮影現場や打ち合わせ、プライベートで遊びに行く場所にいかにアクセスが良いか、必要とするお店や物がすぐに手が届くかどうかという利便性を重視して場所を選んでいました。
20代の頃は連日撮影が続き、月に1,2日しかお休みがないなんてこともよくあり、とにかく時間がなかったので、今思えばその頃の自分はせっかちだったなと感じます(笑)
ちょうどパンデミックが起きる前のタイミングに今の場所に引っ越し、みなさんもそうであったように、多くの時間を自宅で過ごす中で、自分の中の価値観や優先順位ががらっと変わりました。

自分のための時間をもっと大切にしたいという気持ちが強くなり、しっかりと休息をとる、自分のために食事を作る、ゆっくりと音楽を聴く…そういった日常の中のシンプルだけどクリエイティビティにつながる作業にじっくり時間を注ぎたいと思うようになりました。
夜は、電力の削減のためもあり、お気に入りのSalt tokyoのキャンドルで過ごしています。食事は自炊がメインになったので、新鮮な食材が購入できるお店も充実しているエリアということもあり、自然と生活が整い、気持ちも穏やかになった気がします。
そして、コロナを機にパーソナルな発信をするお仕事が多くなったことで、自分の生き方と向き合い暮らしを見直したことはもちろんですが、身の回りのことだけではなく社会のことや環境問題など、物事を多角的に捉えるようにもなりました。
穏やかな時間が流れているこの場所に引っ越して、今の自分にとって本当の意味での“豊かさ”を日々感じています。

Fashion

あなたが今 Fashionに対して感じていることを教えていただけますか?

今は出かける機会が減り、おしゃれをしていく場所がとても減りましたよね。
その分、選ぶものは、肌に当たる感触や心地よさによりこだわるようになりました。

さらに、哲学に共感できるブランドをできるだけ選ぶようにしています。その洋服の製造工程など、裏側もきちんと考えて、環境配慮がされているかということや、取得している認証マークなども気に掛けながら購入しています。
元々ファッションのお仕事をメインにしていたので、シーズンはどんどん変わりますし、トレンドのサイクルも早い世界で生きていました。もちろんモデルとしてはトレンドを伝えなければいけないし、自然と私服も新作がどんどん増えて…。

もちろん今でもファッションは好きですし、気に入った新作を購入することもあります。でもいつしか、クローゼットにも、気持ちにも余白を持ちたいと思うようになり、当時に比べると量は20%くらいになったと思います。服を増やすのではなく、気に入ったものを長く着続けられる工夫をするようになりました。
本当に心地の良いお気に入りを見つけて、昔から長く大切にしている洋服や小物、母から譲り受けたヴィンテージのアクセサリーとの組み合わせをスローに楽しんでいます。

これから、Fashionのトレンドや、衣服の役割はどの様に変化していくと思いますか?

最近、街を歩いていて思ったのは、みんな単一的なトレンドに振り回されることがなくなったなということ。

トレンドや流行色、みんなが着ているからといった選び方ではなく、それぞれが似合うもの、好きなものを選んでいると感じたんです。年齢も性別も体型も関係なく、個性を自由に表現して、みんなが好きなものを好きなように着るという、ファッションも多様性豊かな時代にシフトした実感があります。

「服が売れない」とよく耳にするようになりましたが、それはわたしたちが意識を持って選ぶようになった証拠でもあるのかなと思います。とはいえ、ファッションが消えていくことは悲しい…。 ブランドがトレンドやスタイルを発信するだけではなく、消費者の気持ちに寄り添い、着心地はもちろん、サステナビリティに取り組んでいく姿勢をきちんと伝えることも、これからの重要な課題なのではないかと感じます。

Food

食事についてお聞かせください。 食事について気を使っていること、心掛けていることはありますか?

食材を購入する際は、ファーマーズマーケットに出向き、出来るだけ農家さんから直接買うことで日本の農業を応援したり、スーパーで購入する時には、輸入品よりも多少高くても国産のものを選ぶようにしています。

小さなことですが、レジでひとつひとつ包まれるビニールを断ったり、エコバッグを欠かさず持っていくことも徹底。

また、環境やフードロスの問題を考え、必要な分だけ買い、ロスを減らすことを心がけていることはもちろん、野菜の皮や根など使わなかった分をまとめてとっておいて、野菜出汁のブイヨンにしてスープに使ったり、ベランダにコンポストを設置して土に戻したりと、ゴミや無駄を減らす工夫も実践しています。

現在の生活では、自炊の割合が7割を占めていますが、残りの3割は、特別なディナーであったり、家の近くのサポートしたいと思うお店での食事です。

今回取材をしていただいたレストランのKabiも、日本の食材だけを使用し、日本古来の発酵調味料を生かし新しい料理の形を追求しているお気に入りのお店です。行くたびに進化を感じる姿勢から、インスピレーションも貰っています。

食の安全、食料自給率など、日本での食に対するこれからの未来はどの様になっていくと思いますか?

現在日本の食料自給率は37%と言われており、とても低いですよね。

日本の食文化はもともと、お米と野菜とお魚という和食がメインでしたが、現代は食文化が変わって、「牛肉をもっと食べたい」とか、「パンをもっと、小麦をもっと」というふうに洋食が増え、輸入品が多くを占めるようになりました。

食の国際化はしようがないですし、日本のように海外の料理が気軽に楽しめる国もそうないので、一概にネガティブな要素だけとは思いませんが、パンデミックをはじめとした世界規模での大きな問題が起こるととても不安になります。

国産食材をもっと大切にしていくということは、世界情勢が不安定な現代において必要なことだと思います。

環境負荷の観点においても、食材の新鮮さにおいても、少し高くても、国産のものを買っていくということが日本の食の明るい未来につながる大切なことだと私は考えています。

もちろんさまざまな意見があると思いますが、何よりも重要なのは、みんながそれを声に出して話題にすることで、より多くの人が興味を持つきっかけを作り、ディスカッションをする機会を増やしたり、ひとりひとりが真摯に考えていくことだと思っています。

Past / Present / Future

この数年間で、自分の意識、関心はどの様に変化していきましたか?

コロナ禍で、健康や美容面のセルフケアによりフォーカスするようになりました。

スキンケアは時間をかければかけるほど結果がついてくることに改めて気づき、「今週はこれ」「来週はこれ」と真剣に試して、それこそ美容フリークのように成分もひとつひとつ細かく調べるようになっていました。

ファッションはどちらかと言うと、自分のモチベーションを上げるものだったり、刺激をくれるものですが、スキンケアは、自分を整えたり、内面に向かっていく作業でもあって、癒しでもあります。

今、興味のあること、今準備をしていることはありますか?

昨年に自分の会社を設立し、新たにスキンケアブランド『Otonë』(オトネ)を立ち上げました。
ブランドコンセプトは“Setting the tone”。
肌のトーンや質感を”tone(音)”ととらえ、ムードやフィーリングまでも整え、カラダ全体を心地よい状態にセッティングするという思いが込められています。DJという自分の持ち味を活かしながら、音楽活動の中で感じていることも絡めて提案をしていきたいなと思ったんです。

スキンケアはライン使いが重要と考えているので、まずはベーシックなセットを作りました。
大人の肌に寄り添えるよう、アンチエイジングにも効果が期待できるハイブリッドな配合を心がけました。肌への親和性が高く、可能な限り優しい成分を厳選し使用しています。

化粧箱や配送箱、緩衝材は全て再生紙を使用。容器本体もプラスチックの使用は可能な限り少なくし、全体の66%以上にサステナブルな素材を起用しています。

配送箱もできるだけコンパクトにデザインして、なるべくゴミが出ないように。毎日使いたくなるようなデザインにもこだわりました。

せっかく自分のブランドを作るのだからとこだわりすぎてしまって、納得できるものに仕上がるまでに約2年も掛かってしまいました。いよいよ今年の7月にローンチ予定です。 皆さんにお披露目できる日が、とても楽しみです。

これから、私たちの暮らしはどの様に変化、進化していくのでしょうか?また理想の未来などがあれば、教えていただけますか?

私達の意識に関わる問題ですよね。

地球温暖化であったり、環境問題やジェンダーイクオリティに対して、みんなが自分事として、敏感にとらえフレキシブルに考えていくことで、よりよい未来に繋がると思っています。

公的なメディアでも社会の問題を取り上げたり、ディスカッションをする番組がもっと増えたらいいのになといつも感じています。

私も個人レベルではあってもSNSで少しずつ、自分が得た知識を共有できるような発信を続けていく予定です。
まずは身近な友人や家族と、話してみることからでも、多くの人が一歩を踏み出せたらいいなと思っています。

一人一人の行動が、これからの地球と人間との共存を可能にしていくのだと信じています。

Style

最近の気分はモノトーン。今回のスタイリングもモノトーンで選びました。

ロングスカートは意外と持っていなかったので新鮮なのですが、今の自分の気分にしっくりきていてお気に入りです。
M_のアイテムは、女性らしいラインがしっかり出るシルエットや、ディティールにもすごく気持ちを込めてデザインされているなと感じます。
素材の伸びも良いので着心地も楽で、毎日着たくなりますね。

環境配慮がされていて、価格帯も手が出しやすい上に、トレンドも意識しながら、誰のワードローブにも取り入れやすい形や素材のアイテムばかりなのも嬉しいところ。 手持ちのアイテムと合わせやすいので、長く洋服を着られる様に意識して作られていると思います。

これからも、進化をしつつも、地球に優しく環境に配慮したモノづくりで、着た時に穏やかな気持ちにさせてくれる、そんなブランドであり続けて欲しいなと思います。

Elli-Rose

エリーローズ

スタイリストであるイギリス人の母と、フォトグラファーである日本人の父のもとに生まれる。英語と日本語のバイリンガル。
12歳で篠山紀信氏撮影の写真集でデビューし、ティーン誌 などを経て「ViVi」モデルを10年務めた。
2008年からはDJとしても活動。日本各地のみならずワールドワイドに活躍している。
雑誌「FRaU」のWEBサイトにてコラム連載中。自身の経験をもとに、ビューティ、ファッションはもちろん、恋愛 から性に関する話まで、幅広い内容で読者からの人気も高い。
2022年7月、自身のスキンケアブランド『Otonë』(オトネ)をローンチ。
最近ではSDGs関連のイベントへの出演も多く、サステイナブルなライフスタイルに注目が集まっている。

Instagram https://www.instagram.com/ellirose/
WEB https://nline-mg.com/model/elli-rose/